« 税負担 | トップページ | 少子化と税制 »

2005年8月 9日 (火)

消費税

ポスト小泉政権で重要な論点に上がってくるのが、
消費税の引き上げ問題だ。国民にとって広く薄い負担で、
捕捉の問題が比較的小さいとされる消費税は、
財政再建のための有力な候補である。

しかし、消費税には広く知られた問題点がある。
逆進性の存在である。
低所得者ほど、所得に対する消費税の負担率が
高くなるため、税制が所得を不平等化
する原因になるという批判である。

一般に、所得の変化よりも、
消費の変化は小さい。
また、金持ちの方が、所得のうち
消費する比率は小さく、
貧しい人の方が、所得のほとんど
を使っている。一時点の
所得階級別のデータからは
この傾向がはっきりみられる。

つまり、ある時点で所得が低い人は、
所得が高い人よりも消費税の所得に
対する負担率は高くなっている。
これが、消費税の逆進性と呼ばれる
問題である。

ところが、この逆進性は一時点の所得のみ
を考えていたから生じているのである。

だれでも、生涯の消費額は
生涯の所得額を上回ることは
できない。
今、ある人が勤労収入がある時は、
引退後に備えて貯蓄し、
引退後はその貯蓄をとりくずして
消費していたとしよう。
そして、勤労している時も引退後も
同じ額の消費をしていたとしよう。

そうすると、この人の消費税負担率は、
引退前は所得が高いために低くて、
引退後は逆に高くなる。

同じ生涯所得で同じ生活水準の人
であっても人生のどの時期にいるかで、
消費税の見かけの負担率で
考えると逆進的になってしまう。

ところが、生涯所得と生涯消費が
同じであるならば、
消費税はあくまで生涯所得に
対する比例税になる。

所得比例税と定額補助金を
組み合わせれば、
低所得者の税負担率は
低くなり高所得者の税負担率は
高くなるため、累進所得税になる。

公的年金の定額部分を全国民に
消費税を財源として支払う制度に
すれば、比例税と定額給付の
組み合わせで、所得再分配制度
として機能するのである。

高齢化時代には、生涯所得を基準に、
生涯税負担と生涯受給で再分配制度を考える
必要がある。

詳しくは、拙稿「「低所得者」「貧困者」高齢化で変わる定義」
『週刊東洋経済』、2005年6月18日号、をご覧頂きたい。

|

« 税負担 | トップページ | 少子化と税制 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 消費税:

« 税負担 | トップページ | 少子化と税制 »