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2006年2月 7日 (火)

待ち組

 猪口少子化相が、1月31日の記者会見で、「『負け組』は立派だ。その人たちは戦ったのだから。本当に反省すべきは『待ち組』だ」と述べたそうだ。2月2日の小泉内閣メールマガジンによれば、「待ち組」は、フリーターやニートなどの「挑戦しないで待っている人」のことをいうらしい。
 でも、フリーターやニートの中には好んでそうなっている人もいるのも事実だが、大多数の人たちは、学校卒業時点の就職活動でうまく行かなかった人たちか、うまく行きそうにないとあきらめた人たちだ。あまりにも可能性が低かったり、何度も失敗が続くとやる気を失うのは自然ではないだろうか。就職氷河期に卒業した人たちは努力不足や挑戦しなかったというよりも、運が悪かったというべきだ。そういう人たちに「反省しろ」というのは酷ではないか。本当に反省すべきは、若者に挑戦する意欲がもてる社会を作ることができなかった政治家や私たち中高年ではないのだろうか。

 ただし、メールマガジンでは、 

 「(「待ち組」の)人々も、持てる力を存分に発揮し、一人ひとりの創意工夫を活かすことができる社会にしなくてはなりません。そして、どうしても自分の力ではできない人に対しては、お互いに助け合う、持続可能な社会保障制度がしっかり支える社会、そういう社会の実現をめざして、これからも改革を進めてまいります。」

ともっともな議論がしてある。是非ともそうしてほしい。


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「経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

なんか、昔は、政治と宗教と労働の分業が、農耕と商業と工業だけのなり、今はもしかすると結婚・出産の方も分業になりつつあるのかも知れませんね。

投稿: ぽくぽく | 2006年2月 7日 (火) 22時00分

Voice3月号の「所得格差は拡大していない」は事実誤認もいいところです。

私は、大学卒業後、90年代後半に破綻した生命保険会社に勤務していました。破綻後、WEB・IT系の零細企業、そこも破綻し、中小メーカーに昨年まで勤めていました。給与は生保時代の50%に届かないレベルでこの5年間生活してきました。
それでも、そこに勤める20-30代に若者に比べれば倍の給与なのです。彼らは殆どが1年間の契約社員であり、給与も20-25万でこの5年間変わらず、ボーナス?など死語です。
毎日10時まで働いても当然、残業は付きません。書面上は残業などしてないことになってるので、経済統計にもでてきません。
統計データと実態が違うことはこの国では多々あります。
企業も苦しいが、若年層は夢も希望もありません。勿論結婚もできない。若者と言っても、立命館あたりの学卒もいたりするで驚きですが。
これが日本の大多数の中小企業の実像です。
昨年あたりから、漸く大企業が雇用を増やし始め、これらの若者もそちらへ移動する現象が始まっています。
私も自分が、実際に中小企業に来るまでは、このような世界があることは気が付きませんでした。零細になると、違法ですが、雇用保険・健保はなし、当然、年金など払いません。
厚生年金の会社負担など、払う余裕がないのです。
ご存知のように、日本は元々2層に企業も分かれており、大企業が直接、中小企業と交わるの部分は限定されており、通常は状態を知る由もないのです。
バブル崩壊以降、私の個人的経験で知ったことは、大手と中小の給与格差は拡大し、契約社員の増加により、若年層は野麦峠の世界に置かれているということです。

是非、先生にはIT,WEB系の零細企業を訪問して、若者に直接聞いて実態を調べてみていただきたい。経営者は嘘をつくのでNGです。
データは正直でありません。

投稿: 恩田川 鴨次郎 | 2006年2月26日 (日) 02時12分

恩田川様、ご経験をもとにされた実態について教えて頂ありがとうございました。ただ、ご指摘のことと私がVoiceで述べていることに矛盾はないように思いいます。若者の間での所得格差が最近になって拡大していることは統計的にも事実です。その点について、貴兄と私で認識の差はありません。規模間格差は昔からありました。若者の所得格差も規模間格差も景気の影響を受けます。20年以上にわたる日本の所得格差の拡大は、高齢化が要因だというのがポイントです。日本で所得格差がなかったわけではなく、もともとあったものが、高齢化で顕在化しているということです。昔と比べて格差が「拡大したか」ということが論点であって、「格差があるか」ということが論点ではないのだと思います。

投稿: 大竹 | 2006年2月26日 (日) 08時33分

今国会は、格差と永田、という感じですね。で、こんなブログがあったのですね。格差論議も永田論議もうーむ、違うだろう、と見ている者です。
日本の格差はアメリカや例えば中韓に比べればずっと少ないと思いますし、格差のあること自体はわたしは特に悪いと思いません。むしろ、日本の中の「みんな同じ」を強要する圧力や、その強要に由来する足の引っ張り合い、バッシングにうんざりしますが、という話は経済学ではなくて社会学の問題になってしまいますね。
でも、若年層で拡大している格差、これが、これまで景気が悪かったからということですが、現在回復傾向の景気の中でも、求人で伸びているのは正社員ではなく非正規、かつ、正社員の中でも若年層の賃金が中高年のように年功で順調に多数が伸びて行くようにはなっていないのでは?今はまだ団塊が労働市場に留まり、労働者の中での格差が出ていませんが、今後どうなるのでしょう。
それと、日本の場合、これまでは教育のうえでの格差が少なかったですけれども、所得や賃金というお金のかたちでなくて、能力、ことに職業・生活につながる能力の格差が出てくると、公的な職業訓練・成人教育システムやましてセーフティ・ネットのない日本では、どうなるのでしょう、と思っています。

投稿: FY | 2006年3月 4日 (土) 23時18分

エコノミスト、拝見しました。

投稿: FY | 2006年3月20日 (月) 16時41分

FYさん、コメントありがとうございました。長い間、ブログを更新していませんでしたが、若年の格差についてのエントリーを入れました。

投稿: 大竹 | 2006年3月21日 (火) 00時00分

実はわたしも待ち組み認定されそうな状態です。一万社以上の企業で面接し、うち80社以上で働きました。低賃金の細切れ雇用ですので、たった1、2日で職がとぎれると、また一から職さがしです。こっそりと複数の派遣会社に登録して仕事を探したりしましたが、なかなかちゃんとした自立できる収入に届きません。まわりからは、自分がブログを建てるまでと、NHKの「フリーター漂流」が放映されるまでは賤民あつかい。家族も友人もすべて敵でした。
ある派遣会社から珍しく大企業に派遣されたときに、その労働環境と社内福祉のよさに驚いたことがあります。その後、労働基準法関連の本で、大企業と中小企業では退職金に1千万近くの差があると知り、さもありなん、と思ったものです。

これから、もっともっと杉村議員のような人が、国政にも自治体にも必要だと思います。

投稿: ワタリ | 2006年3月25日 (土) 21時40分

フリーター漂流、あれはわたしも見ました。遅蒔きながら、あれで、若年の事態が思っているよりもっと深刻そうだ、と思いました。もっとも、漂流しつつ、外に出て働いている人たちは、もちろん大変だと思いますが、政策があれば手を打てる部分があるのでは、と。もっと問題なのは、自力で漂流する力も持てないままの、見えない層ではないかと思っています。

投稿: FY | 2006年3月26日 (日) 12時34分

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