雇用社会の25の疑問
こういう本がほしかった。法律家にもこんな風にものを考える人がいるということに驚いた。
「どうして、社員は就業規則に従わなければならないのか」、「女性社員は、夜にキャバクラでアルバイトをしてよいか」、「会社が違法な取引に手を染めていることを知ったとき、社員はどうすべきか」、「会社は。美人だけを採用してはダメなのであろうか」など、興味をひくテーマが並んでいる。単に法律的に違法か否かという議論にとどまらず、なぜそのような制度があるのか、というそもそも論から、わかりやすく説明されている。
「はしがき」に、「本書が想定している読者は、すでに雇用社会の住民になっている人や労働法について少し学んだことがある学生である」と書かれているが、もっと対象は広いはずだ。むしろ、労働法を全く知らない人が第一歩として読んでいもいい。
経済学部の学生や経済学の研究者にとっても、とても読みやすいし、有益だ。研究のネタを見つけることもできそうだ。
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