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2007年9月 5日 (水)

人事も経理も中国へ: NHK スペシャル

9月3日に放映されたNHKスペシャル「人事も経理も中国へ」を見ました。日本語の壁があって、事務部門のアウトソーシングは日本では難しいと考えられていました。しかし、番組では中国の大連の人々の日本語能力を生かして、中国へのアウトソーシングが急速に進んでいる様子と日本の労働者のさまざまな対応が描写されていました。IT化は人間でなければできない仕事はなにか、を私たちにつきつけました。外国へのアウトソーシングは、日本人でなければできない仕事はなにか、を考えさせます。

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映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

 私もこの番組をみておりました。
だからこそ、脳の研究に関心があつまるのか
という気がします。

投稿: かつての中学生 | 2007年9月 5日 (水) 21時06分

こんばんは。私も拝見いたしました。実は私、たまたまここ1年ほど、大連にいる、物理学を修士まで専攻して外資系のコンピュータ会社に勤めている30代の女性と、日本語で、インターネット経由でしばしばチャットをしています。一度チャットしながら、なぜそんなに日本語が上手なのですか?と聞いたら、中学校で履修したのだそうです。今でも彼女はほぼリアルタイムで「電車男」などの日本のドラマを見たりしています。大連は日本の植民地だった関係で、今でも20%くらいの人が日本語が話せるそうで、他の中国の都市とは違う特別な事情があるのですが、この番組ではそこをあまりきちんと説明せず、中国へのアウトソーシングならどこの都市の方でも予想以上に簡単であるかのような印象を与えているところが気になりました。大連はちょっと特別で割り引いて考えた方がいいと思っています。

投稿: bun | 2007年9月 6日 (木) 19時00分

はじめまして

この番組、印象操作の連続でした。2点だけ分析。

「総務の仕事を大連でアウトソーシングしたら5500円が750円、86.3%のコストダウンですよ。」このシーンを見て日本人の生産性はこんなに低いのかと思ってしまう。
しかし、この数字は見積もり金額で実績ではありません。さらに、、、
「日本人の労働生産性は先進国7か国中最低」という資料を作成した財団法人社会生産性本部のデータをもとに生産性トップのアメリカがいくらでこの仕事をするか計算しました。結果は3957円でした。
国別労働生産性はその国の行政効率も反映された数字なので、1人1人の生産性を評価することはできませんでしょ。

次に分析するのは、ナレーション「2015年までに、日本からおよそ40万人分の雇用が中国へ流出すると言われています。」テロップ挿入『人事も経理も総務も中国へ』というシーンです。
ナレーションとテロップのつながりから人事・経理・総務の仕事から40万人分も仕事がなくなるのかと思ってしまいます。が、じつは日本の労働人口は6500万人、ホワイトカラーに限っても3300万人だと言う情報が入っていません。
とすると実際は少子化に伴う労働人口の減少分の仕事を大連が請け負うだけということではないでしょうか。

最後に、ニッセンの子会社SharedWINと大連のInfoDeliverはこの放送を記念したBPOセミナーを9月、10月に開くそうです。
公共放送として、BPOの見積もり金額を流したのはまずかったんじゃないでしょうか。

投稿: たかぼん | 2007年9月 9日 (日) 10時24分

先のコメントで最初の分析に補足がありました。

「労働生産性の国際比較 2006年版」
http://activity.jpc-sed.or.jp/detail/01.data/activity000782/attached.pdf のアメリカ83,129ドル、日本59,651ドルという数字を基にして計算しています。

ここには、中国の労働生産性は日本の17%と書いてますね。

大竹先生に質問ですが、この資料は経済学者の間でどう評価されているのですか?

投稿: たかぼん | 2007年9月 9日 (日) 10時51分

みなさん、コメントありがとうございました。

たかぼんさんへ。日本と中国の平均的な生産性の差を問題にすべきではありません。また、中国へ仕事が移ることで日本の雇用が失われるというのは、日本の雇用全体が純減するという意味ではありません。特定の仕事を日本でするのと中国でするのとどちらが安く仕上がるかということが問題であって、すべての仕事が中国の方が安くできる(生産性が高い)という意味ではないのです。

特定の仕事(この番組では経理、人事、総務の一部の仕事)が日本から中国に移ったからといって、日本人がする仕事がなくなるわけではなく、日本人が得意な仕事に集中していくということになります。そういう分野で日本の雇用は増えるはずです。アウトソーシングで日本から特定の分野の40万人の仕事がなくなっても、別の分野の仕事が生まれます。減る仕事と増える仕事があって、日本人が得意な仕事に集中することで、日本全体としてはより豊かになるのです。

問題は、アウトソーシングで今までしていた仕事がなくなるということに直面する人たちです。ただ、今まで日本でそういうことがはじめてか、というとそうではなく、常にさまざまな分野で生じてきたことです。日常の業務が長い間全く同じという人は、実は少数なのではないでしょうか。

この番組のポイントは、日本人でしかできない仕事だと考えられてきた分野も、実はそうではなくなってきた、ということを知らせてくれたことです。そのことが多くの人にショックを与えたのだと思います。

中国へのアウトソーシングの影響は、IT化の影響と似ています。計算能力と記憶能力でコンピューターに勝てる人間はいません。だからといって、人間の仕事がなくなったわけではありません。コンピューターが苦手な仕事に人間は集中するように変わったのです。

投稿: 大竹 | 2007年9月10日 (月) 11時56分

大竹先生、丁寧なお返事ありがとうございます。


番組を見た直後は「労働生産性が低いから今までの7倍働かないと2015年までに事務職の仕事が40万件も減ってしまう」と誤解してパニックになってました。

誤解した理由は、番組の冒頭に流れた「日本人の労働生産性は先進国で最低」→ニッセンの会議「中国へ委託すると86.3%のコストダウン」→番組最後のナレーション「2015年までに40万人分の雇用流出」→エンドタイトル「人事も経理も”総務も”中国へ」という印象に残る情報をつなげて解釈してしまったからです。

パニックになったのは参議院選挙前にホワイトカラー・エグゼンプションに関連して「年収400万円以下の残業代は出さない」とか、「休日出勤も只でしてもらわないと日本は国際競争に敗れてしまう。」という内容の経団連理事へのインタビュー記事を読んでいたため、ネガティブな情報を打ち消したい心理になっていたからだと思います。

放送日当日の晩、あちこちブログを読みましたがブログ主さんの意見もそれに対するコメントも「日本人の生産性は世界でもかなり低いレベル」とか「一般労働者の仕事が日本からなくなってしまう」というのがたくさんありまして、相当みんなショックを受けたみたいです。

現在はいろいろ情報を集めて番組の背景もわかりましたので冷静になれました。

番組にでてきたInfoDeliver社は2004年にも日本の企業と共同出資の子会社をつくりBPOビジネスに乗り出しましたが日本の市場に受け入れられず提携を解消しています。
そのときの提携先はワークスAPで、プレスリリースによると解消の理由は「日本から求められるきめこまやかなサービスに対応できなかった」からだそうです。

今回は成功してほしいですね。

投稿: たかぼん | 2007年9月12日 (水) 00時34分

厚生労働省の人材派遣会社に対する資産要件変更は雇用破壊へ

◆“偽装特定派遣”を懸念

平成21年10月に実施予定されている派遣業の資産要件の変更は、80%以上の派遣会社を縮小か廃業に追い込みます。それは何を意味するでしょう。次の雇用先があれば問題も最小限に止どまりますが、今は“100年に1度”と言われる雇用危機です。この雇用危機に、更に追い討ちをかけるのが厚生労働省の資産要件の変更です。今後、一般派遣(登録型)は新規登録や更新ができず、特定派遣(常用型)に切り替えてきます。なぜなら、常時雇用型は資産要件が無いためです。しかし、果たしてそれでいいのでしょうか。特定派遣の許可の下、一般派遣を行う行為が横行するのが目に見えています。一般派遣会社が減り、偽装特定派遣会社が横行することが懸念されます。厚生労働省は今回の介護基準切替えについてシミュレーションもせず、厚労省の論理で物事を運んでいます。労働者の為になる行政を期待したいものです。


詳細は下記のブログをご覧下さい
◆人事総務部ブログ&リンク集
 http://www.xn--3kq4dp1l5y0dq7t.jp/

投稿: 人事総務部-ブログ&リンク集- | 2009年4月19日 (日) 10時35分

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