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2008年10月

2008年10月31日 (金)

八田先生のミクロ経済学

待望の八田先生のミクロ経済学の教科書が出版されました。アメリカの一流の経済学者が書いたミクロ経済学の本もいいですが、やはり題材がアメリカ社会をもとにしています。そのため、どうしても、日本人には現実感が薄くなってしまいます。日本経済を題材にして、ミクロ経済学を自分のものにできる本です。

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2008年10月30日 (木)

原監督

原辰徳氏がWBCの監督に決まった。私は以前、プロ野球監督の勝率引き揚げ能力のランキングを作成したことがある。勝率引き揚げ能力とは、同じ戦力のチームを率いたときに、どれだけ勝率を高めることができるか、という能力である。

2004年までのデータで分析した結果が、『経済学的思考のセンス』の85ページに掲載してある。その結果によれば、原監督は、歴代監督で5位、現役監督では1位であった。WBC監督の場合は、選手を育てる能力は無関係なので、この指標が一番大事だろう。最近のデータまで入れて、分析しなおす必要があるが、計量経済学的には正しい選択なのかもしれない。

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2008年10月24日 (金)

「子供の数だけ親に投票権を」の英語版

「週刊東洋経済」に書いた「子供の数だけ親に投票権を」の英語版が、GLOCOM Platformに掲載されました。"On Increasing Political Power of Senior Voters in Japan”という表題です。

過去に掲載して頂いたエッセイです。

A Common Trap in Growth-Disparity Argument

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不完全労働市場の経済学

Bocconi大学のBoeri教授とTilburg大学のvan Ours教授のThe Economics of Imperfect Labor Marketsは、ヨーロッパの大学で教えることを想定した労働経済学の教科書である。アメリカの労働経済学の教科書は、労働供給、労働需要、労働市場といった章建てで、市場を中心とした構成になっている。ところが、日本もヨーロッパも労働市場の不完全性はアメリカに比べて大きい。解雇規制が強い上に、さまざまな労働市場への規制が存在する。本書は、労働市場の制度をそれぞれの章のトピックスにして、労働経済学を学べるように工夫してある。理論、制度、実証のバランスがよくできている。

 目次はつぎのとおり。

Chapter 1: Overview 1
Chapter 2: Minimum Wages 29
Chapter 3: Unions and Collective Bargaining 51
Chapter 4: Payroll Taxes 81
Chapter 5: Regulation of Working Hours 101
Chapter 6: Retirement Programs 121
Chapter 7: Family Policies 139
Chapter 8: Education and Training 157
Chapter 9: Migration Policies 175
Chapter 10: Employment Protection Legislation 199
Chapter 11: Unemployment Benefits 225
Chapter 12: Active Labor Market Policies 255
Chapter 13: Institutional Interactions 277

たとえば、第二章の最低賃金の具体的な構成はつぎのようになっている。
Chapter 2: Minimum Wages 29
2.1 Cross-Country Comparisons 30
2.2 Theory 33
2.2.1 A Competitive Labor Market 33
2.2.2 A Noncompetitive Labor Market 34
2.3 Empirical Evidence 38
2.3.1 Studies Based on Firm-Level Data 38
2.3.2 Studies Based on Natural Experiments 39
2.3.3 Studies Based on Workers' Histories 43
2.4 Policy Issues 44
2.4.1 Should the Minimum Wage Be Reduced or Increased? 44
2.4.2 Is the Minimum Wage Effective in Reducing Earnings Inequality and Poverty? 45
2.5 Why Does a Minimum Wage Exist? 46
2.6 Suggestions for Further Reading 47
2.7 Review Questions 47
2.8 Technical Annex: Fine-Tuning of the Minimum Wage 48

 国際比較、完全競争と不完全競争における理論的整理、最新の実証研究の展望、最低賃金の政策的な議論の整理、文献、練習問題、数学という構成だ。これをベースにオリジナルの論文をもう少し詳しく説明すれば、十分に大学院のテキストとしても使えるのではないか。

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2008年10月23日 (木)

子供の数だけ親に投票権を (2)

10月20日(月)発売の『週刊東洋経済 』に書いた「子供の数だけ親に投票権を」というコラムでの、「子供の数だけ親に投票権」という提案について、同じようなことを既におっしゃっている方が、複数いらっしゃいますので、紹介したいと思います。

1.北海道大学大学院文学研究科の金子勇教授がお書きになった『少子化する高齢化社会』(NHKブックス、2006年2月刊)の148ページから149ページに記述があります。そこには、2004年4月に富士通総研の鳴戸道郎会長が「少子化コンファランス」でこのような提案をされたと記載されています。

2.ブログでも、この方が2005年8月に意見を紹介されていますし、この方も2005年9月に似たご意見を紹介されています。

おそらく、たくさんの方が既に提案されていると思います。

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同志社EVE記念講演会

同志社大学EVE記念講演会で話をします。

入場無料です。

演題
『少子化の政治経済学』
日時
11月5日 (水) 13:15~14:45
場所
同志社大学 新町キャンパス 尋真館31番教室

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2008年10月18日 (土)

イタリア人だからもてるのか?

フォーサイト7月号のこの記事によれば、イタリア人高齢男性が外国人女性の若い介護ヘルパーにもてているそうだ。これは、イタリア人だからなのだろうか。それとも、違う理由だろうか。

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経済学はやっぱり面白い-講演のお知らせ

11月28日の夜7時から、大阪のイシハラホールで「経済学はやっぱり面白い」という講演をします。

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子供の数だけ親に投票権を

10月20日(月)発売の『週刊東洋経済 』に「子供の数だけ親に投票権を」というコラムを書きました。また、この号には、長時間労働に関するインタビューにも答えています。

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株で損したとすればそれは遺伝子のせい?

あなたが今回の株の暴落で大きな損失を被ったとしたら、その理由は、遺伝子にあるかもしれない。

Stumbling and Mumblingで紹介されたノースウェスタン大学のKuhnen教授とChiao教授によるこの論文は、被験者に危険資産と安全資産を選ばせる経済実験を行って、その選択行動と、セロトニンやドーパミンの伝達と係る遺伝子の関係を調べている。

5-HTTLPRとよばれるセロトニン伝達と関係する遺伝子多型でs型のペアをもっている人は、慎重だと言われている。実際、この実験結果でも、そういう人は安全資産をより多くもったという。また、脳内神経伝達物質ドーパミンのD4受容体遺伝子(DRD4)の第3エクソンには反復配列多型が存在する。この反復回数が多いと新奇性を好むと言われている。この実験では、この反復回数が7回の対立遺伝子をもつ人は、それをもたない人より危険資産を保有したという。

遺伝子を調べれば、危険回避度がある程度わかってしまうということだろうか?時間割引率と関係する遺伝子もあるのだろうか?人々の行動のどの程度の割合が遺伝子に影響されているのだろうか?

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2008年10月13日 (月)

岡田監督辞任を行動経済学で考える

阪神タイガースの岡田監督が、13ゲーム差を巨人に逆転されて、優勝できなったことの責任をとって、辞任するそうだ。結果的には、勝率0.582で、2位だったのだから、かなりいい成績だ。実際、阪神の歴代勝率でもかなり高いほうだ。でも、夏には阪神の優勝確実と誰もが期待したために、この成績でもファンが、がっかりしたということだ。もし、これが前半戦低迷していて、最後に優勝争いをして、結果的に2位だったとしたら、誰も岡田監督を責めなかっただろうし、来期も岡田監督で続投ということになっていたはずだ。

これは、行動経済学の損失回避や現状維持バイアスと呼ばれる現象の一例だ。リーグ戦前半で、二位と大差の一位でいると、それがファンにとっては、当然のものとなってしまって、それ以下の結果は、満足度を大きく低下させてしまう。ところが、6位から始まっていたならば、最終的に2位になったとすれば、ファンの満足度は非常に高かったはずだ。今年、巨人が2位になったとしても原監督の評価は非常に高かったのではないだろうか。予想されたものよりも上であれば人々の満足度は高くなり、低くなってしまうと非常に低くなってしまう。最終的なチーム成績のみで満足度が決まるのではないようだ。当初の期待との差が、ファンの満足度に大きな影響を与えるのだ。

そうすると、シーズン当初は、低めの成績で行って、後半戦に勝負をかける方が、その逆の戦略をとるより、監督の評価を高めることができるはずだ。でも、それがわかっていてもそういう戦略がとれる監督は、チーム力に恵まれている場合に限られるのかもしれない。

前半戦で、阪神が独走した影響は、セリーグ全体の収益にどのような影響を与えたのだろう。優勝の行方が決まるリーグ戦の最後の方の試合は、あまりテレビの中継がなかった。これは、阪神が早々と優勝を決めそうだったので、リーグ戦の終盤は、消化試合ばかりになると、秋の番組を決定する夏の段階で予想されていたのではないだろうか。そうすると、今年の阪神の期間別の勝率配分は、セ・リーグ全体の収益には、あまり望ましいものではなかったのかもしれない。

プロ野球監督の仕事は、優勝を目指すということが一番大事だ。阪神が一位を独走していたころ、阪神ファンは毎日楽しかったはずだ。その分、最後に逆転されたことのショックは大きい。でも、今年一年のファンの満足度を毎日計測してその合計を測ってみると、おそらく阪神ファンの満足度の方が巨人ファンの満足度よりも高かったはずだ。それにも関わらず、現時点のファンの満足度は、巨人ファンの満足度の方が高い。今回の岡田監督辞任が、来シーズン以降の阪神ファンの幸福度を下げることにならないことを祈る。


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2008年10月12日 (日)

「格差と希望」の書評

BNPパリバ証券チーフエコノミストの河野龍太郎さんが、『格差と希望』の書評を『週刊東洋経済』に書いて下さいました。

『週刊ダイヤモンド』の元編集長の松室哲生さんにも、書評していただきました。

ベストセラー作家となられた勝間和代さんが、丸善本店で拙著をご購入くださったようです。丸善本店でこんなディスプレーをして頂いていたとは、知りませんでした。

みなさん、ありがとうございました。

ところで、最近のアメリカ経済の動き、日本の過去15年くらいを早回しで見ているような感じです。

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