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2008年10月18日 (土)

子供の数だけ親に投票権を

10月20日(月)発売の『週刊東洋経済 』に「子供の数だけ親に投票権を」というコラムを書きました。また、この号には、長時間労働に関するインタビューにも答えています。

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コメント

コラム、面白く拝見しました。が、結論の提案には大反対です(投票権が何を意味するのか不明ですが、選挙権ないしそれに類似する権利と考えました)。

①そもそも、政策の議論にそぐわない基本的人権を政策にのせて議論していることが、根本的におかしいと思います。政策的にはどんなに有益な手段でも、民主主義の根幹を支える選挙権の平等を侵害することは認められないと思います。

②色々な事情で子供を持たない人間の人権を踏みにじっています。

③大金持ちがどんどん養子縁組をすることで、多数の投票権を獲得できてしまいます。要するにお金で票がかえてしまうわけで、やっぱり不当です。

いかがでしょう。

投稿: コラムの感想 | 2008年10月23日 (木) 12時45分

コラムの感想さんへ、
現在、将来世代と現在世代の利害が対立する問題を決定する際に、現在世代の高齢者の意思決定が大きく反映する仕組みになっています。それが、若年世代の行動に歪みを与えて、将来世代だけでなく経済全体の損失を生むという問題を引き起こしています。その問題にどう対処するか、というのがポイントです。

若年世代や将来世代の利害にかかわる問題は、その代表をいれて議論するような仕組みが必要ではないでしょうか。世代別の議員定数を決めるというのも一つです。現在でも一票の重みは選挙区によって大きく異なっていますから、選挙権の平等は厳密には満たされていません。子供の数だけ投票権というのは、ひとつのアイデアで、歪みを修正するいい方法があれば、それが一番です。

投稿: 大竹 | 2008年10月23日 (木) 13時25分

大竹先生
ご丁寧なコメントをありがとうございます。

『経済全体の損失を生むという問題』が発生することを前提として、それを解決するために「平等選挙を壊してはどうか」とする大竹説に対し、私は「平等選挙を壊すべきではない」と批判しているわけです。つまり、経済問題の解決と平等選挙のどちらが重要なのかについての議論をしたかったのですが、かみ合いませんでした。以下は蛇足です。

>その代表をいれて議論するような仕組みが必要ではないでしょうか
 まさにそのとおりだと思います。実際、労使問題などは「代表をいれて議論するような仕組み」がいろんなところでとられていますよね。私が問題としたかったのは、その目的を選挙を通じて実現しなければならないのか、ということなんです。

>現在でも一票の重みは選挙区によって大きく異なっていますから、選挙権の平等は厳密には満たされていません。
 「厳密には満たされていないのだからだから、一層侵害したって構わないのだ」とはならないでしょう。不作為により生じた不平等と、作為により生じる不平等を同一に議論することも、賛成できません。

投稿: コラムの感想 | 2008年10月23日 (木) 18時26分

地域によって一票の重みが違うのは、人口比だけで決めると、人口が少ない地域に不利になることを配慮した、「民主主義」な決定であって、不作為で生じたものではないと思います。不作為で生じたものであれば、都市部でも一票の重みが地方よりも「重い」選挙区が、相当数あってしかるべきです。一票の格差は、作為的に作られていると考えるのが自然です。

将来世代と現在世代の利害に関係するものを決定する際に、将来世代を無視して現在世代だけの意見で決めることが、「平等選挙」かどうか、という点がポイントです。これは、将来世代の環境悪化を引き起こす問題を議論する場合でも同じです。将来世代に投票権を与えることができないから、それに近い手法をどうやって考えるか、ということです。

投稿: 大竹 | 2008年10月23日 (木) 19時22分

子供が将来どういう社会を望むかは、親にも分からないわけですから、子どもの数だけ投票権を与えたからといって将来世代の意見を反映することにはならないと思います。また、現在の高齢世代は過去の親世代ですから、過去に子供を産み育てた数だけ高齢者にも投票権を与えるべきだとはなりませんか。さらに、投票権を与えても行使されなければ何の意味もありません。高齢者ほど投票率が高いそうですから、若年層の投票率を上げることの方が重要と思われます。そのためには、投票を義務化して、違反すると罰金を科すくらいのことが必要ではないでしょうか。その方が、子供のできない夫婦や独身者にとっても平等だと思います。本当は、罰金なんかなくても投票したくなるような魅力のある政治をやってくれればいいんですけど。

投稿: e-takeuchi | 2008年10月24日 (金) 15時25分

 第一の点は、将来世代の利害を反映しやすいのは、現在の高齢者よりも子供をもつ親の意見だろうということです。将来世代はどうやっても直接参政権をもつことはできませんから。
 第二の点は、高齢者の子供はすでに、成人として参政権をもっています。
 最後の点は、そもそも高齢化が進んでいるので、年齢別の投票率がすべての年齢で同じになったところで、政治的決定は高齢者有利になってしまっています。そのため、若者が「合理的に」投票しないということが重要です。投票してもしなくても変わらないということを若者が合理的に予測しているのです。彼らに、投票を義務付けたとしても、そのことによって政治的決定が変わるわけではないと、若者が考えているということなのです。
 既に、コメントで書いたように、別に、子供の数だけ親に投票権を与えるという制度でなくても、世代別代表制をとるという方法でもかまわないのです。世代の利害にかかわる問題について政治的意思決定をする際に、世代の代表のバランスをとる必要があるということがポイントなのです。

投稿: 大竹 | 2008年10月24日 (金) 22時38分

何度も丁寧なコメントをいただき、ありがとうございます。

>一票の格差は、作為的に作られていると考えるのが自然です。
選挙に関する事項は法律で定めるのですから、「『民主主義』な決定」であるのは当然です。そうやってせっかく民主的に決めたのに、その後の人口変化に伴う格差の拡大を放置したために、立法の裁量の範囲を逸脱しているのが問題なんです。
いや、それよりもなによりも、重要なのは「『厳密には満たされていないのだからだから、一層侵害したって構わないのだ』とはならないでしょう。」という部分なんですけど。

>将来世代に投票権を与えることができないから、それに近い手法をどうやって考えるか、ということです
いや、ですから、繰り返しになりますけど、「それに近い手法」として先生がご提案された方法が、現在の日本の法制度の下で実現が可能なのかを考えてみたい、と申しているんです。
でも、議論がその方向に進みませんでしたので、これにて失礼いたします。お邪魔しました。

投稿: コラムの感想 | 2008年10月24日 (金) 23時29分

ご返事ありがとうございます。おっしゃることは分かりますが、世代の代表のバランスをとるというのは夢物語ではないでしょうか。世代をどこで区切るのか、代表をどう決めるのか。若者だって高齢者だってあまりに多様ですから。

投票を義務化してもムダだというのは、よく聞く話でした。すみません。ただ、義務化することによって少なくとも若年世代が政治に関心を持つようになるかもしれません。そうなれば政治家も若年層を意識せざるをえないのではないでしょうか。小選挙区制ではちょっとの差が大きな差となることは、前の郵政選挙が証明しています。

投稿: e-takeuchi | 2008年10月27日 (月) 11時32分

連続投稿で申し訳ありません。もし、日本が今とは逆で高齢層が少なく、若年層や将来世代に有利な政治決定ばかりがされているとしたら、どのような解決策があるのでしょうか。やはり世代の代表制でしょうか。

投稿: e-takeuchi | 2008年10月27日 (月) 12時31分

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大竹文雄先生が、『週刊東洋経済』で子供の数だけ投票権をという提案をしていたんで、先生のブログに若い世代の意向を反映したいのなら、投票を義務づけたらどうかという意見を出したら、次のように反論された。  そもそも高齢化が進んでいるので、年齢別の投票率がすべて... [続きを読む]

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