定額給付金をめぐる議論のメリット
「定額給付金を有効なものに変える方法」というエントリーで、定額給付金の通知に寄付金リストを入れたら、という提案をした。ところで、定額給付金に所得制限をつけるのが難しかったという事実は、この制度の是非を別にして、考えさせる論点が他にもある。
どうしても高所得者に定額給付金を受け取らせたくないのであれば、似たような効果があるのは、所得税率の引き上げだ。一定額の給付を全国民にして、同時に高額所得者の所得税率をほんのわずかでも引き上げれば、定額給付金を高額所得者が受け取ったとしても、高額所得者の可処分所得は増えない。
定額給付金をめぐる議論にメリットがあったとすれば、低所得者に所得の再分配をしたくても、日本では再分配することが非常に難しいということを明確にしてくれたことだ。負の所得税や勤労所得税額控除といった再分配制度が望ましいということを多くの経済学者は同意していると思う。しかし、それが有効に機能するためには、所得の捕捉が正確にされることが必要だ。そうでないと低所得だと偽って給付金を受給する人が増えてしまう。納税者番号がすべての国民に割り当てられていて、即座に所得が把握できるシステムになっていたなら、今回の定額給付金の支給ももっとスムースだったはずだ。それに、消えた年金問題も発生することはなかっただろう。
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コメント
納税者番号は遅くとも1980年代に議論されていたはずです。番号制があれば、高所得者が対象になるであろうキャピタルゲイン課税もすんなりといくはずです。財務省/国税庁はどうして何年も導入をしないのでしょうか。それは住基ネットで反対意見が散々出たように、いわゆる反体制派の人々が世論を誘導したからだと思っています。どうでしょうか。
前回のイタリア年金改革については色々と反響があるようですね。じゃあ、増税しないで社会保障をカットすれば、人口増で経済も成長するんじゃないかと。
http://blogs.wsj.com/economics/2008/10/20/secondary-sources-more-on-krugman-the-child-trade-off/
投稿: LM | 2008年11月17日 (月) 00時04分
こちらでははじめて書き込みさせていただきます。
納税者番号が導入されないのは、反体制派のせいではないでしょう(彼らも反対するでしょうけれど)。
一番困るのは、まともに税金を納めていない自営業者や農民であり、彼らが自民党支持層のコアを構成しているからです。
投稿: アングラ | 2008年11月21日 (金) 17時13分
そういえば、そうだった。その通りです。
クロヨン問題もそういう経緯でしたね。
投稿: LM | 2008年11月21日 (金) 23時03分