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2009年1月

2009年1月30日 (金)

日本の社会保障の未来

京都大学教授の西村周三先生の最終講義が3月14日(土)に行われます。
テーマは、「日本の社会保障の未来」で、講義のあと、
西村ゼミの出身者である齊藤誠、岩本康志の両氏と私が
パネリストとして参加し、西村先生とともにパネルディスカッションをします。
司会は、京都大学の依田さんです。

西村周三 経済学研究科教授の最終講義

日時: 平成21年3月14日(土曜日) 14時00分~17時00分
場所: 京都大学 百周年時計台記念館 1階 百周年記念ホール

プログラム

演題: 「日本の社会保障の未来」

最終講義
西村 周三 教授

シンポジウムパネリスト
    * 齊藤 誠 氏(一橋大学教授 1983年OB)
    * 大竹 文雄 氏(大阪大学教授 1983年OB)
    * 岩本 康志 氏(東京大学教授 1984年OB)

司会 依田 高典 氏(京都大学教授 1989年OB)
申込: 不要、参加料: 無料

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2009年1月28日 (水)

どうする雇用

日経新聞社の主催で、2月6日(金)14:00~16:00に、東京の日経ホールで、「どうする雇用」というテーマでシンポジウムが行われます。連合会長の高木剛さん(連合事務局長の古賀 伸明さんに変更されました) 、日本商工会議所の岡村正さんと私がパネリストで、日本経済新聞の岡部直明さんが司会です。
参加は無料ですが、申込が必要です。申込は、ここからで、締切は1月30日です。

パネル討論「どうする雇用」
2月6日(金)14:00~16:00
東京:日経ホール(日経新聞社8階)
パネリスト:

古賀 伸明  連合事務局長
大竹 文雄    大阪大学教授
岡村   正     日本商工会議所会頭
司会:
岡部 直明    日本経済新聞社 専務執行役員 主幹

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2009年1月25日 (日)

WEDGE論説の解雇規制に関する説明

WEDGE2月号の私の論説の35ページ3段目のつぎの文章は、労働に関する法規制という言葉と労働法をあまり区別せず使っている上に、単純化しすぎていたため、法律の専門家の皆さんには混乱を招く表現だったようです。

「日本の労働法は、もともと契約自由の原則で書かれていたため、法律の文面では、解雇は自由となっていた。そのため、解雇規制は、権利濫用法理として司法の場で形作られてきた。60年代から徐々に判例が積み上げられ、70年代のオイルショックで整理解雇事例が多発し、解雇のための条件が明確化されていった。いわゆる「解雇法理の4要件」である。 つまり、①人員削減の必要性、②解雇回避努力、③人選の妥当性、④手続きの相当性という4要件が満たされれば、合理的な理由として認められ、解雇権濫用に当たらないとされる。特に②の解雇回避努力の中には、非正規雇用の削減や新卒採用の停止が含まれており、今回のような不況期にはまず「非正規切り」を実施することが司法サイドからも要請されているわけである。」

厚生労働省の高原正之氏から、つぎの文章にした方が正確だとご指摘を受けました。

「日本の民法は、もともと契約自由と権利の濫用は許さないという原則で書かれていたため、民法の文面では、権利の濫用でない限り、期間の定めのない契約の使用者側からの解約(解雇)の申し込みは自由となっていて、この申し込みをした場合には2週間後に契約は終了することとなっていた。一方、労働法では、いくつかの解雇の制限が行われてきた。

 しかし、労働法で定められている不当な解雇には当たらなくても、民法の権利の濫用に当たる解雇は存在する。そのため解雇についての争いの裁判では、何が解雇権の濫用かという形で争われることが多く、司法の場で、解雇一般についての「解雇権濫用の法理」が形作られてきた。この背景には、期間の定めのない契約のほとんどが、民法制定時の想定とは異なり、事実上、定年年齢に達するまでの有期契約と労使によって理解されるようなものになっていたという事情がある。

 その後、この法理は2003年の労働基準法の改正によりその第18条の2として条文化され、さらに労働契約法が制定されたときに条文が移され、この法律の第16条となっている。

 経営上の都合による解雇、つまり整理解雇という特定の類型についての権利の濫用については60年代から徐々に判例が積み上げられ、70年代のオイルショックで整理解雇事例が多発し、解雇のための条件が明確化されていった。いわゆる「解雇法理の4要件」である。

 つまり、①人員削減の必要性、②解雇回避努力、③人選の妥当性、④手続きの相当性という4要件が満たされれば、合理的な理由として認められ、解雇権濫用に当たらないとされる。特に②の解雇回避努力の中には、非正規雇用の削減や新卒採用の停止が含まれており、今回のような不況期にはまず「非正規切り」を実施することが司法サイドからも要請されているわけである。」

 おそらく、これが正確な法律の規制に関する表現だと思います。修正案をご教授下さった高原さんに感謝します。

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2009年1月24日 (土)

大貧困社会

 年金や貧困問題を経済学の立場から研究してきた慶応大学教授の駒村康平氏による新著『大貧困社会』はお薦めだ。高齢者の貧困、子供の貧困に関する現状、所得のセーフティネットの不備や医療のセーフティネットの問題、年金制度の問題を分かりやすく整理してくれている。冷静な筆致の中にも、駒村氏の誠実さや温かさが伝わってくる。様々な具体的な政策提言も含まれていて有益である。
 この本のなかで、駒村氏が行った調査で興味深い結果が紹介されている。それは、「大きな政府か、小さな政府か」という質問と「格差拡大か、縮小か」という質問への日本人の回答だ。「大きな政府で、格差縮小」に賛成の人が約20%、「小さな政府で、格差小あるいは格差維持」に賛成の人が約12%、「中規模政府」を望む人が約20%という結果になっている。駒村氏が文句をつけているのは、「小さな政府で格差縮小」を望んでいる約20%の人に対してである。こういう希望は、ないものねだりで、選挙の際のかく乱要因となるというのである。本当にそのとおりだ。私たちは、フリーランチはないことを前提に、社会の制度を設計し、選択する必要がある。

目次
第1章 小泉改革の功罪
第2章 穴だらけの雇用・所得のセーフティネット
第3章 医療セーフティネットの崩壊
第4章 問題だらけの日本の年金制度
第5章 ここまできた日本の貧困問題
第6章 貧困社会への処方箋-崩壊か、存続か、社会保障改革の選択肢

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2009年1月19日 (月)

非正規は調整弁か

1月20日(火)に発売される「ウェッジ」という雑誌の2月号は、「非正規は調整弁か 常識捨て 正社員の既得権にメスを」という特集をしています。

私は「正社員の雇用保障を弱め 社会の二極化を防げ」という論説を書いています。この特集では、東大社会科学研究所教授の水町勇一郎氏が「既存のシステムにメスを入れよ」というテーマで、労働政策研究・研修機構主任研究員の小倉一哉氏が「正規・非正規の垣根を超えたワークシェアリングは不可能か」というテーマで、それぞれインタビューに答えています。

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2009年1月18日 (日)

最低賃金・派遣・ワークシェアリング

最低賃金、派遣、ワークシェアリングなど、最近話題になっていることについて、『日本労働研究雑誌』の2008年4月号が参考になります。私自身のものも含めて、いくつか紹介したいと思います。

対談

最低賃金を考える [PDF](332KB)

大竹 文雄(大阪大学社会経済研究所教授)

橘木 俊詔(同志社大学経済学部教授)

・ この対談では、最低賃金に関する議論を網羅したつもりです。

エッセイ

割増率の上昇は残業時間を減らすか? [PDF](207KB)

佐々木 勝(大阪大学大学院経済学研究科准教授)

社会保険料の事業主負担部分は労働者に転嫁されているのか [PDF](256KB)

太田 聰一(慶應義塾大学経済学部教授)

・ どちらのエッセイも、経済学者には常識で経済学者以外にはそうではないことについて、丁寧に書いてくれています。

座談会

派遣労働をめぐって [PDF](363KB)

南部 靖之((株)パソナグループ代表取締役グループ代表)

浜村 彰  (法政大学法学部教授)

守島 基博(一橋大学大学院商学研究科教授)

・ 派遣に関する座談会。

フリーターの中高年齢化 [PDF](206KB)

太田 清((株)日本総合研究所主席研究員

・今回の非正規の雇用調整がどのような対象になっているか、を教えてくれます。

ワークシェアリングは雇用促進に有効だったか [PDF](274KB)

小倉 一哉(JILPT主任研究員)

・ 日本の雇用慣行の中でのワークシェアリングの難しさを教えてくれます。

D.オーター/S.ハウスマン「派遣雇用──貧困から脱出する手段となるか?」 [PDF](200KB)

金井 郁(東京大学大学院新領域創成科学研究科)

・オーターとハウスマンの派遣労働に関する論文を紹介しています。アメリカでは、派遣が直接雇用に比べて長期的には労働者にとってよくないことを示しています。ヨーロッパの研究だと、派遣が常用雇用への足がかりになっているという結果を報告しているものもあります。おそらく正社員の雇用保護がどの程度か、ということが、派遣の長期的効果に影響していると思います。日本ではまだきちんとした研究がありません。

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2009年1月17日 (土)

リーディングス 格差を考える

リーディングス 格差を考える」という本が、伊藤元重先生の編集で出版されました。

目次
序 章 格差論争を理解するために
第1章 所得格差
第2章 雇用格差
第3章 若年の格差
第4章 教育格差
第5章 地域間格差
第6章 米国における格差問題
第7章 貧困への対策
第8章 所得再分配政策
終 章 グローバル経済と格差問題

私がフォーサイトに書いた論説が、第一章の所得格差のところに掲載されています。
井上裕行、ディビット・オーター、太田聰一、太田清、佐藤俊樹、リチャード・カッツ、松繁寿和、苅谷剛彦、尾村洋介、藻谷浩介、ロナルド・ドーア、駒村康平、川口大司、森信茂樹、岩本康志、伊藤元重の各氏の論説がまとめられています。

少し前に、「日経・経済教室セレクション」というのも出ています。この本にも私の経済教室の論説が掲載されています。
目次です。

まえがき
I章 金融危機の本質とは?
II章 成長を止めるな
III章 人口減時代の新地平を探る
IV章 ニッポン企業の明日を読む
V章 「資源制約」の時代を生きる
VI章 改革・制度を問う
VII章 格差問題を考える

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「金融危機から経済危機へ-景気の行方と政策対応」公開討論会

3月7日に、一橋大学GCOE主催、阪大GCOE共済で、「金融危機から経済危機へ」という公開討論会が行われます。ご参加希望の方は、下記の申込先まで(無料)。

一橋大学関西アカデミア第3回 公開討論会 「金融危機から経済危機へ-景気の行方と政策対応

日 時: 2009年3月7日(土) 13:30~(開場 13:00)
会 場: ザ・フェニックスホール 梅田新道・東南角 ニッセイ同和損保フェニックスタワー内
〒530-0047 大阪市北区西天満4-15-10
http://phoenixhall.jp/access.html

コメンテータ: 日本銀行金融研究所長             高橋 亘
         大阪大学社会経済研究所長      大竹 文雄
         大阪大学社会経済研究所教授  小野 善康

パネリスト: 一橋大学グローバルCOEプログラム「社会科学の高度統計・実証分析拠点構築」
経済研究所教授     北村 行伸
経済学研究科教授    塩路 悦朗
経済学研究科教授     武田 真彦
経済学研究科教授     齊藤 誠
経済学研究科准教授 川口 大司

参加申込: 無料・先着200名
氏名・所属・連絡先を明記の上、2009年3月2日(月)までにEmailまたはFAXでお申込み下さい。
[関西アカデミア担当] Email:academia0307@ad.hit-u.ac.jp
                              FAX :042-580-8016

主 催: 一橋大学グローバルCOEプログラム「社会科学の高度統計・実証分析拠点構築」
共 催: 大阪大学グローバルCOEプログラム「人間行動と社会経済のダイナミクス」

お問合せ先: 国立大学法人一橋大学学長室企画広報担当 〒186-8601 東京都国立市中2-1 電話 042-580-8033

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2009年1月15日 (木)

「世界」掲載の齊藤誠論文

雑誌『世界』2月号に一橋大学教授の齊藤誠氏による「金融危機が浮かび上がらせた日本経済の危機と機会」という論説が掲載されています。優れた論説ですので、是非お読み頂けると幸いです。

2000年代の日本の景気回復が円安景気であったこと、その背景にはバブルのツケをバブルで返すという政策の方針が影響していることを齊藤さんは指摘しています。中でも、最後の節で、「誰が考えてもおかしいと思う三つの常識的な視点から、経済政策を考え直して」いる点は、非常に興味深いものです。金利、マクロの分配率、ミクロの労働者間分配の3つの疑問に対する齊藤さんの回答は必読です。

この論説は、日本経済は景気回復期において消費が増えないという謎について、齊藤さんが明らかにした学術論文を背景に書かれていると思います。齊藤さん自身が、『世界』の論説についてここで言及されています。

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2009年1月12日 (月)

「小さく産んで・・・」は正解か

1月12日の日本経済新聞の「経済教室」欄に「「小さく産んで・・・」は正解か」という論説を書きました。関連文献は、日経ネットプラスに掲載していいます。鈴木明彦(三菱UFJリサーチ&コンサルティング主席研究員)、永浜利広(第一生命経済研究所主席エコノミスト)、原田泰(大和総研チーフエコノミスト)の各氏からコメントを頂いています。このブログでも関連するエントリーを書いたことがあります(この記事も)。

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2009年1月11日 (日)

非正規雇用問題

2008年12月26日の毎日新聞に掲載された非正規雇用問題に関する私の論説をアップします。この論説からは、派遣の禁止という政策提言は出てこないことに注意してほしいと思います。もともと、日本では雇用調整が難しい正社員と雇用調整が比較的容易な非正規労働の二つのタイプの労働者がいたのであって、派遣労働はその一部です。派遣労働をなくせば、非正規労働の問題が解決するわけでもなんでもありません。問題は、正社員中心主義の雇用保障が、非正規労働への需要を増やしていくという日本社会の仕組みにあります。正社員を保護すればするほど、訓練を積んだ正社員を使わなくてもやっていけるような技術体系や雇用体系を取り入れることを企業に促進させるのです。景気変動を小さくするというマクロ政策は重要ですが、すべての経済ショックをマクロ政策でゼロにすることはできません。重要なのは、経済変動というショックを、株主、企業、正社員、非正社員の間でどのように負担するのが、長期の企業成長や日本全体にとって望ましいかという問題なのです。

続きを読む "非正規雇用問題"

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2009年1月10日 (土)

納税者番号制度

日経の1月10日の記事によれば、ドイツで納税者番号制度が導入されるそうだ。日本でも、セーフティネットの充実のためには、当然必要になる制度だ。所得把握が不完全なままで、セーフティネットの充実ができるわけがない。

独が納税者番号制 09年にも運用、所得把握円滑に

 ドイツ政府は個人向けに納税者番号制度を導入する。すべての納税者を11ケタの数字で管理し、毎年の所得と税額をデータベース化する仕組みで、年内にも運用を始める。税務処理を簡素化するとともに所得把握を円滑にする狙いがある。日本の導入論議にも影響しそうだ。

 ドイツの納税者番号に登録されるのは個人の氏名や性別、学歴、生年月日、住所など。転居したり、転職したりしても番号は変わらず、納税者の死後も最長で20年間は保管される。2008年末までに国内に居住する外国人も含めて全納税者の登録を終えたようだ。(09:11)

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2009年1月 5日 (月)

東洋経済 1月10日号

市場主義批判が強まる中、「市場競争のメリットを教えるべき」というエッセイを、本日発売の『週刊東洋経済』に書きました。特集は「若者危機」です。

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