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2009年2月15日 (日)

独学という道もある

 高校へは行かずブラジルで過ごして大検を受け、大学は日本の通信制、そういう経歴で東大の経済学の先生になった人がいる。柳川範之さんだ。ちくまプリマーから出た「独学という道もある」は、彼の体験的エッセイだ。受験秀才でないと学者になれないと思っている人は多い。テストに強いことと研究者として優れているということは、全く関係がないというわけではないが、世の中の人が思っているほどではない。経済学者の世界について、柳川さんがこの本で書いていることは、私の経験からも同意できることばかりだ。
 私は以前、アンケートで、「一流大学卒業、一流企業入社という成功モデルが崩れた今、これからの成功モデルはなんですか」という質問を受けたことがある。その時、私はそのアンケート作成者が、単一の成功モデルしか頭になかった人なんだろう、と感じた。現実には、日本にも結構いろんな価値観があって、様々な成功モデルがあるのに、単一の成功モデルだけを信じてきたのだと思う。実際、それが日本の閉塞感の原因かもしれない。この本は、単一の成功モデルに振り回されている人にこそ読んでもらいたい。自分の向き不向きをどうやって見つけるか、偶然の出会いをどうやって生かしていくか、この本を読むことで学ぶことができると思う。

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コメント

勉強は、基本的には独学だというのはよく分かります。
私自身、田舎の高校から大学に入りましたが、誰かに教えてもらったという覚えはあまりありません。もちろん塾なんかにも行ったことはありません。(そもそも田舎で塾なんか無かった)
昔は、大学の授業には出なくても勉強している学生というのは結構いたのに、今は出席率だけはいい。(学校にもよるかもしれませんが)嘆かわしい限りです。

投稿: 風竜胆@文理両道 | 2009年2月15日 (日) 19時21分

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