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2009年3月

2009年3月26日 (木)

匿名データの提供サービス開始

総務省が行っている政府統計のうち、全国消費実態調査(平成元年、平成6年、平成11年、平成16年)、社会生活基本調査(平成3年、平成8年、平成13年)、就業構造基本調査(平成4年、平成9年、平成14年)、住宅・土地統計調査(平成5年、平成10年、平成15年)が、匿名の個票データで研究者に利用可能になるそうだ。詳しくは、こちら。これは、画期的なことだ。

これらの統計自体は、すばらしいものだけに、学術研究に利用できるようになると、日本の経済学の実証研究のレベルは飛躍的に上がるだろう。あとは経済学研究者の能力とやる気の問題だ。特に、目的外使用の機会がなかった若手研究者にとっては、チャンス到来だ。私も大いに利用したい。

こうした環境を整えるために努力された方々に感謝したい。

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2009年3月24日 (火)

レセプト電子化

「週刊東洋経済」3月28日号の「経済を見る眼」という欄で、国際基督教大学教授の八代尚宏先生が、「レセプト完全電子化を先送りする勢力」というコラムを書かれている。八代教授によれば、レセプトの電子化によって(1)医療機関から保険者にオンラインで請求可能になり、審査の効率性も上がる、(2)個々の医療機関ごとの治療実績や費用が統計データとして蓄積できることから治療方法の改善につながる、(3)日本の医療の標準化を進めることができる、といういいことばかりである。困るのは、非効率な診療を行っていることが明らかになる一部の医療機関だけである。

2011年度までにレセプトを完全電子化することは、2006年に閣議決定されている。閣議決定されていることを守ることができないというのは、一体どういう政権なのだろう。閣議決定というのは、かなり重要なコミットメントだと私は思っていた。

紙ベースの情報をコンピューター化する際にあれだけ多くの年金が消えてしまったのである。最初から電子化しておけば、問題は起きない。レセプトが紙ベースで事務がなされていることで、過大な事務手数料だけではなく、過大な医療費を払っている人たちや効果のない医療を受けている人たちという被害者が発生している。紙ベースのレセプトを続けていくことで、得をしているのは、いったい誰で、それは日本人全体の損よりも大きいのだろうか。

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2009年3月22日 (日)

日経新聞「春秋」で紹介頂きました

3月15日の「定額給付金の寄付」と昨年11月15日の「定額給付金を有効なものに変える方法」というエントリーが、3月22日の日経新聞の春秋で紹介されていました。

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2009年3月21日 (土)

労働時間改革:日本の働き方をいかに変えるか

労働時間改革:日本の働き方をいかに変えるか」というシンポジウムが、4月2日に東京で開催されます。概要とプログラムはつぎのとおりです。申込はこちらから。
私も 「世界経済危機の下での雇用・労働政策のあり方」というテーマのパネルディスカッションを行う予定です。

  • 日時:2009年4月2日(木) 9:30-18:05
  • 会場:東海大学校友会館 阿蘇の間(東京都千代田区霞が関3-2-5 霞が関ビル33F)
  • 開催言語:日本語(同時通訳なし)
  • 参加費:2,000円(学生 1,000円。交流会費を含む)[公印を捺印した領収書を発行いたします。]
  • 主催:独立行政法人経済産業研究所
  • お問合せ:RIETI にしき(e-mail: conf-labor2@rieti.go.jp
    Tel: 03-3501-8398 Fax: 03-3501-8416

プログラム

9:30 - 09:35 開会挨拶

藤田 昌久 (RIETI所長・CRO/甲南大学教授/京都大学経済研究所特任教授)

9:35 - 10:05 報告(総論)

「日本の働き方をいかに変えるか:本政策シンポジウムの鳥瞰図」

鶴 光太郎 (RIETI上席研究員)

10:05 - 12:35 第1部:労働時間の実証分析(経済学からのアプローチ)

10:05 - 10:35 報告「日本人の労働時間は以前より短くなっているのか」

黒田 祥子 (一橋大学経済研究所特任准教授)

10:35 - 11:05 報告「ホワイトカラー・エグゼンプションは労働者の働き方にどのような影響を与えるのか」

山本 勲 (慶應義塾大学商学部准教授)

11:05 - 11:35 報告「ワークシェアリングは機能するのか」

川口 大司 (RIETIファカルティフェロー/一橋大学大学院経済学研究科准教授)

11:35 - 12:05 コメント

山口 一男 (RIETI客員研究員/シカゴ大学ハンナ・ホルボーン・グレイ記念特別社会学教授)

12:05 - 12:35 Q&A

12:35 - 13:30 ランチブレイク

13:30 - 15:10 第2部:労働時間法制の再構築(法学からのアプローチ)

13:30 - 14:00 報告「労働時間法制の課題と改革の方向性」

水町 勇一郎 (東京大学社会科学研究所准教授)

14:00 - 14:30 報告「ホワイトカラーの労働時間法制の立法的課題」

島田 陽一 (早稲田大学大学院法務研究科教授)

14:30 - 14:50 コメント

荒木 尚志 (東京大学大学院法学政治学研究科教授)

14:50 - 15:10 Q&A

15:10 - 15:30 コーヒーブレイク

15:30 - 18:00 第3部:パネル・ディスカッション
「世界経済危機の下での雇用・労働政策のあり方」

モデレーター

樋口 美雄 (慶應義塾大学商学部教授)

パネリスト(五十音順)

大竹 文雄 (大阪大学社会経済研究所教授)

小川 誠 (厚生労働省職業安定局雇用政策課長)

長谷川 裕子 (日本労働組合総連合会 (連合) 総合労働局長)

輪島 忍 (社団法人日本経済団体連合会労政第二本部労働基準グループ長)

17:30 - 18:00 Q&A

18:00 - 18:05 閉会挨拶

及川 耕造 (RIETI理事長)

18:05 - 19:05 交流会

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東洋経済3月21日号

現在発売されている『週刊東洋経済』の2009年3月21号の「経済を見る眼」というコーナーに「私たちの生産性は低下していない」というエッセイを書いています。

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2009年3月15日 (日)

定額給付金の寄付

昨年の11月15日に「定額給付金を有効なものに変える方法」というエントリーを書いた。その効果があったとは思えないが、同じようなこと考える人がたくさんいたのだろう(ホリエモンもその一人だった)。実際に、そういう仕組みが動き出して実現してきた。たとえば、私が住んでいる箕面市では、AEDの設置と校庭などの芝生化の2つのメニューで寄付を募ることになった。また、全国80のNPO団体が「定額給付金基金」を共同設立するということを 服部順治さんという方からコメントで教えてもらった。定額給付金が日本の寄付文化を変えるきっかけになるのであれば、「いい政策」だったということになるかもしれない。このタイミングで、日本の金持ちが、多額の寄付を表明すれば、ずいぶん尊敬されることになるかもしれない。

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2009年3月14日 (土)

肥満と健康の経済学

大阪大学グローバルCOEでは、来る3月19日(木)、
20日(金・祝)に、国際ワークショップ『肥満と健康の
経済学』を開催します。

肥満や体格形成、喫煙行動など健康に関わる選択と行動を
テーマとした国際的な経済学研究の集いです。肥満、中毒、
自殺、遺伝といった問題を経済学はどのように考えるのか。
欧米からの研究者も交えて最新の研究成果を問い、今後の
方向を探ります。

大阪大学グローバルCOE国際ワークショップ
『肥満と健康の経済学』

プログラム: →  (日本語版 pdf)

日 時:2009年3月19日(木) 13:25~20:00、
   2009年3月20日(金・祝) 10:00~15:20

会 場: 千里阪急ホテル・仙寿の間

詳細は下記をご覧ください。
http://www.iser.osaka-u.ac.jp/coe/event/event_5.html

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2009年3月 7日 (土)

朝日新聞 Globe

朝日新聞のGlobeの「先読み世界経済」というコーナーに、「派遣禁止は有効ではない 貧困問題解決のための処方箋 」という論説を書きました。

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2009年3月 5日 (木)

労働経済学研究に求められるもの

日本労働研究雑誌』の2009年2・3月号(No.584)が刊行されている。今月号の特集は、「学界展望:労働経済学研究の現在」だ。2006年から2008年にかけての日本の労働経済学関係の注目すべき論文について、赤林英夫(慶應義塾大学経済学部教授)、臼井恵美子(名古屋大学大学院経済学研究科准教授)、坂田圭(立命館大学経済学部准教授)、安井健悟(一橋大学経済研究所講師)の4氏が議論している。3年ごとのこの特集は、労働経済学の研究の動向を知るのに便利だ。私の論文もいくつか取り上げてもらった。

労働経済学研究に求められるもの」(pdf)という私のエッセイも掲載されている。

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2009年3月 4日 (水)

Mostly Harmless Econometrics

Angrist教授とPischke教授による"Mostly Harmless Econometrics"は、計量経済学を用いて実証研究を志すものが直面する様々な問題に対する答えが、わかりやすく書かれている。「応用計量経済学者の作法」とでも呼べる本だ。実証研究を行う大学院生は必読。

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職場の法律は小説より奇なり

大阪大学の労働法の教授である小嶌典明先生が、日本の労働法がいかにヘンテコなものであるかを、わかりやすく書いてくれた。『職場の法律は小説より奇なり』は、管理職はもちろん、雇用問題に関心がある人は必読だ。規制改革と大学法人の人事労務の実務に関わった労働法学者だからこそ書くことができた日本の労働法の姿が、この本に描かれている。

どうしてこんな変な労働法に私たち日本人は困らされることになったのだろうか。小嶌先生の答えは明快だ。それは、裁判官も含めて公務員という「労働法の適用を受けない者が、労働法の世界を経験しないまま、労働法をつくる」からだ。

不況で雇用調整が深刻になってくると、雇用不安を「解消する」ために、様々な雇用法制の改革が提案される。そうした提案に関わる人たちは、是非この本を読んで、本当にその改革が労働者のためになるのか、を考えてほしい。

目次
基本ルールと現場の心得-できないことは約束しない

 第1話 労働法という名称の法律はない
 第2話 労働契約の内容は就業規則で決まる
 第3話 限界のある労働協約、際限のない交渉義務

職業生活の有為転変-捨てる神あれば拾う神あり

 第4話 採用にミスマッチはつきもの
 第5話 辞めるとき、辞めさせるとき
 第6話 変わるもの、変わらないもの

裏目に出た規制強化-正義の道は地獄へと通じる

 第7話 かえって雇用が不安定化した派遣社員
 第8話 更新に限度が設けられた有期雇用契約
 第9話 待遇改善が難しくなったパート従業員

口には出せない行政への注文-過ちを改むるに憚ることなかれ

 第10話 四・六通達と「サービス残業」
 第11話 告示三七号と派遣・請負の区分
 第12話 九・二六通達と「2009年問題」

ウソのような本当の話-事実(法律)は小説より奇なり

 第13話 仕事をしない「仮眠時間」も労働時間
 第14話 組合員は1人でも1000人でも権利は平等
 第15話 労働法の適用を受けない公務員の世界

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