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2009年9月21日 (月)

潜在待機児童が減らない理由

 「フォーサイト」10月号に鈴木亘氏が「「潜在待機児童80万人」を解消するために」という興味深い論説を書いている。大胆に要約すると次のようになる。保育所の数を増やすことは保育所間の競争を激化させ収益の悪化要因になるので、認可保育所にとっては、参入を少なくして待機児童が多い状態にしておく方が望ましい。そのため、既得権をもった保育所業界は、族議員と厚生労働省を使って、保育所の参入規制の緩和を骨抜きにしてきたという。この問題の解消方法として、鈴木氏は「子ども手当」を保育・教育バウチャーにして、無認可保育所にも切符の受け取りを許可することを提案している。これなら、「子ども手当」が子どものために使われないかもしれない、という心配もなくなる。
 せっかく政権交代したのだから、保育所業界の既得権維持ではなく、保育所の新規参入を容易にすることで、待機児童を減らしてほしい。「子ども手当」をもらうのもいいが、保育所に入れるようにしてほしいというのが、子どもをもっている人たちの本音だ。

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コメント

子ども手当は、無認可保育所の保育料にも使えると思います。でも、死亡事件の多発した無認可保育所でなく、設備・環境の整った認可保育所に入れたいのが本音です。
それにバウチャーになるともともと保育料が無料の生活保護世帯などは、メリットなしですね。

投稿: 母 | 2009年10月24日 (土) 15時18分

記事を読みましたが、東京の問題だけで、地方での保育所の実態を知らないのではと思います。
「東京は突出して高い・・他の地方は1~2割費用が安い・・・」書かれていますが、これは事実に反します。実際は運営費(その他地域)のみです。
つまり、たぶん5割安ですね。
その結果、私立保育所の保育士の給与水準は、ほとんどがワーキングプア。そういう現状があるから、そもそも保育士になりたいという人がいなくなりつつあります。
要するに、競争させれば、安く、良いサービスができるはずということのようですが、介護と同じように、日本全国で保育の職場そのものが崩壊していくことになるだけ。しかも、民間だけ。公立保育所は問題なく残るでしょう。
民間保育所の保育士のストレス状況や勤務実態なども把握した上で、主張をしていただきたいと、地方のものとしては言いたい。

投稿: 地方の人 | 2009年11月 2日 (月) 15時40分

地方の人さんが問題とされている地方では、待機児童は多いのでしょうか。あくまで、待機児童が多いことが解消されない理由を議論しているので。

投稿: 大竹 | 2009年11月 2日 (月) 16時55分

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» [政策]年金は孫の借金から 限界を迎える世代間の再配分システム [keitaro-news]
国及び地方の長期債務残高は、すでに800兆円を超え、しかもその拡大ペースを速めています。これは、国民一人当たり650万円という途方もない金額です。日本の財政は、刻々と持続不可能な水準に近付いています。 出される提案は折衷案ばかりで組み合わせやバランスを考えた配... [続きを読む]

受信: 2009年9月22日 (火) 05時49分

» 保育バウチャーで待機児童をなくせ [池田信夫 blog]
鈴木亘氏が、80万人に及ぶといわれる待機児童の問題を「フォーサイト」で論じている。大竹文雄氏の要約を借りると、その論旨は保育所の数を増やすことは保育所間の競争を激化させ収益の悪化要因になるので、認可保育所にとっては、参入を少なくして待機児童が多い状態にしておく方が望ましい。そのため、既得権をもった保育所業界は、族議員と厚生労働省を使って、保育所の参入規制の緩和を骨抜きにしてきたという。この問題の解消方法として、鈴木氏は「子ども手当」を保育・教育バウチャーにして、無認可保育所にも切符の受け取りを許可す... [続きを読む]

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