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2009年10月

2009年10月31日 (土)

未来を創る大学の研究室

ベネッセの教育研究開発センターが出している高校の先生向けの雑誌「View21」(高校版)に「複雑な人間心理が引き起こす経済活動を合理的に解明」という記事で私の研究室が紹介されました。

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階層格差と公共性プロジェクト研究会

10月29日に東大文学部社会学研究室の「階層格差と公共性プロジェクト研究会」でセミナーをさせてもらった。階層格差という研究会だったので、私の報告テーマは、「高齢者の貧困・消費」。ただ、ここは、ジェンダー研究で有名な先生たちが集まっているところなので、「自信過剰が男性を競争させる」という別の論文も報告させてもらった。多くのコメントをもらえて、私としてはとても有意義だった。

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2009年10月27日 (火)

貧困にどう立ち向かうか

12月2日(水)、一橋大学で「貧困にどう立ち向かうか-一橋エコノミストの提言」というシンポジウムが開かれるそうです。参加者がすばらしい。最低賃金の研究で実績のある川口大司さんと神林龍さん、生活保護の研究で有名な林正義さん、給付つき税額控除をはじめとする税制研究で知られる田近栄治さんの報告とデスカッションで構成されています。入場無料で、事前申し込みも不要とのことです。

公開講演会「貧困にどう立ち向かうか-一橋エコノミストの提言-」

日時:2009年12月2日(水)14:00~17:00
場所:一橋大学 国立キャンパス 兼松講堂(東京都国立市中2-1)
主催:一橋大学グローバルCOEプログラム「社会科学の高度統計・実証分析拠点構築」

パネリスト: 神林 龍(一橋大学経済研究所 准教授)・川口 大司(一橋大学経済学研究科 准教授)・林 正義(一橋大学経済学研究科准教授)・田近 栄治(一橋大学経済学研究科 教授)
コーディネーター: 北村行伸(一橋大学経済研究所 教授)

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2009年10月26日 (月)

野村監督

野村監督が契約終了ということだ。「2位の成績なのに」、という印象もある。タニボンさんが拙著『経済学的思考のセンス』の分析を使って、「楽天・野村監督は名監督か?経済学的思考で考える。」というエントリーで野村監督の評価を試みている。なかなか説得的な議論だ。これを読むと、三木谷さんも野村監督も極めて合理的に行動しているように思う。

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2009年10月24日 (土)

相対的貧困率

厚生労働省が10月20日に相対的貧困率を発表した。(詳細はここPDF)

厚生労働大臣のご指示により、OECDが発表しているものと同様の計算方法で、我が国の相対的貧困率及び子どもの相対的貧困率を算出しました。最新の相対的貧困率は、2007年の調査で15.7%、子どもの相対的貧困率は14.2%。

使っている統計も手法も、今までOECDが出していたものと同じで、特にレベル自体が大きく変化したわけでもない。2006年は、3年前の2003年と比べると1%ポイント上がっているが、2000年は15.1%だったし、子どもの貧困率はその時に比べて低下している。ただ、長期でみるとトレンド的に上昇していることは間違いない。

しかしながら、貧困率を出しただけでは、あまり政策的に役立たない。第一に、岩本さんが指摘しているように、もとになる統計である『国民生活基礎調査』の特性を確認する必要がある。『全国消費実態調査』とはずいぶん異なる数字がでることは間違いない。特に、外国と比較する際には、注意が必要だ。第二に、貧困率の水準そのものよりも変化の方向とその原因を明らかにする必要がある。第三に、可処分所得と貧困が一対一に対応しない可能性もある。所得はないが高額の資産を保有している人であっても、この指標で貧困だと定義される。

 今回の公表では、グループ別の貧困率は、17歳以下の子どもの貧困率というものだけが公表されている。小原美紀さんと私が行った年齢別の貧困率の研究だと、5歳未満のグループの貧困率とその親の世代である30歳代の貧困率が近年上昇している。高齢者の貧困率は近年大きな変化がないが、高齢化の進行で貧困者に占める高齢者の比率は上昇傾向にある。逆に、5歳未満の子どもの貧困率は上昇しているが、少子化のために貧困者の中の子どもの比率が上がっているわけではない。ここに貧困問題の政治的な難しさがある。

 30代と5歳未満の貧困率の高まりの背景には、非正規雇用の上昇、離婚率の上昇などがある。正規社員の夫、専業主婦あるいはパートの妻という組み合わせから、非正規の夫、非正規の妻、非正規でシングルマザーという世帯が増えてきたのだと思う。戦後の伝統的な家族を前提に作られてきた日本の労働法制や社会保障制度が、現実の変化にうまく対応できていないことが根本的な問題だ。「男の非正規化」という現象は、何も労働市場の規制緩和が原因で発生しているのではない。技術革新やグローバル化がその背景にある。

 

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2009年10月19日 (月)

鈴木亘氏の保育園に関するフォーサイトの記事が読めます

以前に紹介した鈴木氏の待機児童に関する記事がここから読めるそうだ。彼の記事の反響について、鈴木氏自身がここで紹介しています。池田氏も鈴木氏と似たことを主張されている。

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「生産と技術」に掲載したエッセイ

大阪大学の理系の部局と関西産業界の連携を図る生産技術振興協会が発行する『生産と技術』という雑誌に、阪大のグローバルCOEに関するエッセイ(pdf)「GCOE「人間行動と社会経済のダイナミクス」による現実の人間行動を重視した新しい経済学の構築」が掲載されました。

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インセンティブ

タイラー・コーエンの”Discover your inner economist,"が翻訳されて『インセンティブ』というタイトルで出版された。人に「あっ、そうか」を感じさせる経済学の考え方を、経済学をあまり感じさせないで説明する。

インセンティブ
目次
第1章 バナナなら買える。けれど、市場にないものも欲しい
第2章 世界をうまく動かす方法―基本編
第3章 世界をうまく動かす方法―応用編
第4章 芸術を真に楽しむために「足りないもの」は何か?
第5章 シグナルは語る―家庭でも、デート中も、拷問のときも
第6章 「自己欺瞞」という危険だが不可欠な技術
第7章 とにかくおいしく食べるきわめつけの極意
第8章 七つの大罪の市場―その傾向と対策
第9章 クリスマス・プレゼントは世界を救うだろうか?
第10章 内なるエコノミストとわれらの文明の未来
参考文献


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ドキュメント高校中退

 青砥恭著『ドキュメント高校中退』(ちくま新書)は、高校中退者の家計の経済的背景と彼ら自身の就業状況を丁寧に統計データと聞き取り調査で明らかにしている。貧困問題と若年非正規問題を考える上で参考になる。高校中退につながる低学力の問題が、小学生時代にもう発生していることもインタビューから明らかにしている。
 ただし、著者が、問題の発生の原因を労働市場の規制緩和だけに求めている点は、論理に飛躍があり、全体の分析の精緻さと比べると粗い部分である。教育カリキュラムの変化、乳幼児期の教育の問題も無視できない。非正規労働が増えてきたのは、労働市場の規制緩和が始まるより前からである。グローバル化、技術革新、不況といった影響が大きいので、労働市場の規制強化だけでこの問題が解決できるわけではない。低所得世帯への幼児期からの教育への援助が最大の解決策だ。

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2009年10月16日 (金)

Davis教授の雇用対策の提言

ジョブクリエーションの研究で有名な労働経済学者であるSteven J. Davisシカゴ大学教授がアメリカの失業対策について提言している。提言は、1.企業の強制的医療保険負担の縮小、2.連邦最低賃金の一時停止、3.「従業員選択自由法」の放棄(排他的交渉権を得る労働組合を選択する際の投票が無記名で行われることを排除する法案とのこと)、4.失業者を仕事に就かせる方法に関する実験と評価を行うこと、の4つである。
 日本にも関係するのは、2番目と4番目の提案だろう。地域によって雇用情勢が大きく異なり、雇用悪化が急速に進む可能性がある日本で一律の最低賃金を「今」目指すことが本当に望ましいのか再検討すべきだろう。
 4番目の提案についても考えるべきだ。どのような失業対策や訓練政策が一番効果があるのかは、やってみないとわからないことが多いのも事実だ。効果のない政策も効果がある政策も、事後的にわかる。効果がなかった政策をしたことを無駄だというわけにはいかない。事前には、それが効果があるかどうかわからなかったからだ。大事なことは、事後的に、どの政策が効果があって、どの政策が効果がなかったかわかるように、あらかじめ実験的政策として設計しておくことだ。Davis教授が指摘するように、大規模な即効性はないが、効果的な政策を早く見つけることができれば、将来大幅に財政支出を節約できる。

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2009年10月13日 (火)

出社が楽しい経済学 2

NHKの人気シリーズ「出社が楽しい経済学」の第2シリーズの放送がNHK総合テレビで10月8日(木)(夜11時~)から始まった。今回のラインアップは、次の通り。

第1回 ロックイン
第2回 コミットメント
第3回 ヴェブレン効果
第4回 心の会計
第5回 スクリーニング
第6回 勝者の呪い
第7回 レントシーキング
第8回 規模の経済性

いずれも、大学の授業では応用編として教えられるものが多い。
経済学の最初の需要と供給しか習わなくて、経済学が嫌いになった人も多いと思うが、
その先には、こんな面白い議論が待っている。テレビをみれば、応用編の面白さを先に学ぶことができる。テレビを見る時間がない人には、内容を解説したが便利だ。第一回のシリーズの本DVDもお薦め。

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2009年10月 8日 (木)

行動経済学の本質

実践 行動経済学』の著者であるリチャード・セイラーのインタビュー「行動経済学の本質、それは「にんげんだもの」にあった!」。

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2009年10月 6日 (火)

最低賃金を議論する際の共通理解

このブログでも何度か最低賃金のことを取り上げてきました(1,2,3,4,5)。大河桂子さんの「最低賃金の引き上げは失業者増やす?」という記事は、現実の政策と関連づけながら経済学の教科書的議論を丁寧に説明しています。このくらいの知識を前提とした上で、政策的な議論を展開したいものです。

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2009年10月 5日 (月)

アルファを求める男たち

アルファを求める男たち』は、『証券投資の思想革命』、『リスク』、『ゴールド』を著してきたピーター・バーンスタインの遺作の邦訳だ。彼の本は、ファイナンス理論におけるポピュラーサイエンスということになる。ファイナンス理論がどのように生まれ、行動ファイナンスの攻撃に耐え、実務に生かされていったのかを生き生きと描き出す。ファイナンスの教科書は、数式だけだが、ここにはファイナンス理論と実務の「物語」がある。翻訳は、この本をバーンスタインが書くきっかけを作った山口勝業さんだ。

目次

第I部  行動ファイナンスからの攻撃
第II部  理論家たち
第III部 実務家たち
第IV部  キャピタル・アイデアの将来

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2009年10月 2日 (金)

NHKスペシャル しのびよる貧困 子どもを救えるか

10月4日の日曜日に、NHKスペシャルで、「しのびよる貧困 子どもを救えるか」というテーマの番組が放送されるそうです。湯浅誠氏や厚生労働政務官の山井和則氏も出演とのこと。

<放送日時>
 10月4日(日) 夜9時00分~10時28分  NHK総合で生放送
 ※再放送 7日(水)午前0時45分~2時13分(6日深夜) NHK総合

<スタジオ出演者>  ※順不同
 政府関係者  山井和則氏  (厚生労働政務官)      
 財界関係者  新浪剛史氏  (株式会社ローソン代表取締役社長)
 支援者     湯浅誠氏    (反貧困ネットワーク事務局長)
 学者       神野直彦氏  (関西学院大学教授)

 司会:町永俊雄アナウンサー

番組の内容は次のとおりとのことです。

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2009年10月 1日 (木)

日本経済学会75周年

今年は、日本経済学会の75周年ということだ。日本経済学会の75年の歴史を振り返ったポスターセッションが開催される。展示予定のポスター(pdf)を見ると日本経済学会の歴史が分かる。また、学会に関する歴史的なデータは、ココにまとめられている。

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経済学の基礎としての人間研究:学史的考察

10月10日、11日に専修大学で開催される日本経済学会秋季大会で「経済学の基礎としての人間研究:学史的考察」というパネル討論をします。基調講演は堂目さん、討論者は、猪木さん、松井さん、齊藤さんと私です。

パネル討論I: 経済学の基礎としての人間研究:学史的考察

基調講演 大阪大学 堂目卓生
討論者
  国際日本文化研究センター 猪木武徳(モダレーター)
  東京大学 松井彰彦
  大阪大学 大竹文雄
  一橋大学 齊藤誠

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鬼頭先生、松橋先生との鼎談

関西電力の広報誌『躍』(やく)第6号に、歴史人口学の鬼頭宏先生、環境学の松橋隆治先生との鼎談が掲載されました。

http://www.kepco.co.jp/yaku/

■┓特集●[鼎談]基軸を探る
┗┛「人口爆発と少子高齢化が併存する世界で低炭素社会への道を探る」
鬼頭   宏 上智大学大学院地球環境学研究科教授
大竹 文雄 大阪大学社会経済研究所教授
松橋 隆治 東京大学大学院新領域創成科学研究科教授

多産多死→多産少死(人口爆発)→少産少死(少子高齢化)へと向かう人口構造。

先進国の少子高齢化、新興国の人口増加と高齢化、
途上国での人口爆発が同時に起き、
既に世界人口は六十八億人へと増大、
食料・エネルギーなど資源制約と環境制約は
ますます大きくなっている。
二〇五〇年には九十億人を超えると予想されるなかで、
低炭素化を踏まえ、世界と日本の人口問題を考えたい

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