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2009年11月25日 (水)

労働市場改革の経済学

労働市場改革の経済学」は、八代先生の新著。「非正社員の働き方を規制で封じ込めようとする論理は、じつは、日本的雇用慣行と、それによって利益を得ている正社員の「保護主義」の裏返しでもある」という指摘は重要。労働市場の規制改革を「市場原理主義」として毛嫌いする人にこそ読んでもらいたい。

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コメント

さっそく読んでみたいと思います。
昨今の議論は、一部の論者を除いて、情緒的なそして行過ぎた格差理解と従来の左翼イデオロギーに基づいたものばかりで建設的な議論をしたものが少なく、「市場原理主義」的と毛嫌いされる(されてしまう)ものを批評しながらでないとよりよい解答はえられないように思えるからです。すべては読んでからということになりそうですが、今、次のようなことを考えています。

1.日本的雇用慣行は確かに日本経済の強みであった。しかし、低成長時代に入ったからといって、それは捨て去られるべきものなのか。
捨て去らなくとも、年配層の賃金を抑えたり、減給(不利益変更)ことで、例えば若年層との雇用格差はなくせるのではないか。例えば金融機関で言えば今でも地方の信用金庫などでは教育出費が落ち着く55歳以降は嘱託社員であることが多い。
2.格差はあって当然だが、世帯主たるべきものの収入が極端に低くなってしまってよいものか。例えばサラリーマンでも上は2000万円層がいくらいてもよいが(格差容認)、下はせめて450万円ぐらいのモデルは立てられないのか(中層下位の下限の問題)。
3.労働法モデルおよびそれを批判する論者も、大企業を想定していることが多い(ここには確かに単純労働なのに、あるいは逆に大した業績もないのに役職だけついて不当に高賃金という人も多い)。しかし、中小・零細企業の雇い主あるいはそこに勤める労働者にとって最良の雇用法制モデルというものはないのか。また、高度の知的労働者の雇用の流動性は必要だが、しかし、ブルーカラー層(もはや古い言い方かもしれなが・・・)は安定雇用をの望むことが多い。こうした、企業規模や労働の質に応じた議論が出来るか。
4.雇用の規制緩和が必ずしも必要であったか。易きに流れるというあたりまえのことになっただけではないのか。私の地元にある有名なメーカーの工場がある。ここには原則として派遣はいない。従って、不況時に正社員の給料はびっくりするぐらいガクンと下がる。でもみんクビにならないだけましと思っている。
5.これは先生の専門だが、日本の格差の実態がマスコミが流すような悲壮なものなのか(派遣切り報道等。また、私は昭和49年生まれだが、某新聞などはこの年代層をロスジェネ(なんと短縮形!)など呼んで、弱者の象徴のようにしている。又昨今の学生の就職難にかこつけて社説で「ロスジェネ(やはり短縮形)をつくるな」と主張する完全なお荷物扱いーつい力がこもったが、要は世代間格差があるのか。その実態とは何かということ。さらに、これは女性に怒られるが、女性のパート雇用等従来から存在した非正規雇用や新たにそれに参入する女性や定年退職者なども一緒くたにして非正規雇用の増加が言われている。これが建設的な議論と言えるか。)そうすると、そもそも以上のような問題意識が正しいと言えるか。
6.低成長モデルの雇用法制というのはもちろん頭に入れておくべきだが、しかし、日本がこれからも世界をリードできる国力を維持できるような「働き方」(あえて雇用という受身では言わない)とは何か。

八代教授の本を読んでからまた書きたいと思います。また、この分野は大竹教授が一般に向けに書いたものも多いようなので、できるだけ読みたいです。ながながトンチンカンあるいは場合によっては教科書どおりのことを書いてしまいましたが、しかし結論をいずれにおくにせよ、昨今のマスコミのこの問題の扱い方がどうも本質を捉えていないように思えてなりません。陰鬱に描かれた不景気報道が本当の不景気あるいは国力の衰退を呼ぶのと同じく、誤った労働問題の捉え方やそれに基づいた労働法制が失業を呼ぶのではないかと感じるのです。

投稿: みやまやすたか | 2009年12月12日 (土) 17時00分

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