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2010年9月30日 (木)

雇用社会の25の疑問-労働法再入門[第2版]

神戸大学の労働法の教授である大内伸哉さんの名著「雇用社会の25の疑問」の第2版が出版される。第1版については、本ブログでも紹介した。初版への川口大司さんのも書評もある。第2版という言葉からうけるイメージとはいい意味で異なり、大幅な改訂がなされている。まず、25の疑問ではなく、疑問の数が28に増えている。また、女優の名前も初版当時活躍していた人(あるいは当時の著者の好み)から変更するなど細かいところまで、現在の視点で書き直されている。最初の点については、著者は冒頭の「第2版の改訂にあたって」で「本のコンセプトは変わっていないから、書名は変えないんだ」と述べている。大内さんのブログでは、ご自身による改訂内容の紹介がある(その1その2その3)。
 一般の人が本書を読むことで労働法を楽しく勉強することができるし、法学部の学生が社会や経済との関わりのなかで労働法を理解するという点でも有益だ。さらに、経済学部や経済学系大学院生にとっては、この本を読むことで、日本の労働市場の法的な論点を知ることで、研究課題を見つける上で役立つだろう。

目次
第1部 日頃の疑問を解消しよう
第1章 労働者の疑問
 第1話 社員は、会社による労働条件の一方的な不利益変更に従わなければならないのか
 第2話 退職金は、退職後の生活保障としてあてにできるものか
 第3話 労働者は、会社の転勤命令に、どこまで従わなければならないのか
 第4話 女性社員は、夜にキャバクラでアルバイトをしてよいか
    ―会社は、社員の私生活にどこまで介入できるか
 第5話 会社が違法な取引に手を染めていることを知ったとき、社員はどうすべきか
 第6話 労働者には、どうしてストライキ権があるのか
 第7話 女子アナは、裏方業務への異動命令に従わなければならないのか

第2章 会社の疑問
 第8話 会社は、美人だけを採用してはダメなのであろうか
    ―採用の自由は、どこまであるか
 第9話 会社は、試用期間において、本当に雇用を試すことができるか
 第10話 会社は、どんな社員なら辞めさせることができるか
 第11話 会社は、社外の労働組合とどこまで交渉しなければならないのか
 第12話 会社は、社員の電子メールをチェックしてよいのであろうか
 第13話 会社は、社員のメンタルヘルスにどのように配慮しなければならないか
  
第2部 基本的なことについて深く考えてみよう
 第14話 労働法は、誰に適用されるのか
    ―労働者とは誰か
 第15話 労働組合の組織率は、どうして下がったのか
 第16話 成果主義型賃金は、公正な賃金システムであろうか
 第17話 公務員には、本当に身分保障があるのか
 第18話 正社員とパートとの賃金格差は、あってはならないものか
 第19話 定年制は、年齢による差別といえるであろうか
 第20話 少子化は国の政策によって解決すべきことなのか
  
第3部 働くことについて真剣に考えてみよう
 第21話 誰が「強い」労働者か
    ―君は会社に「辞めてやる」と言えるか
 第22話 労働者が自己決定をすることは許されないのか
 第23話 キャリア権とはいかなる権利か
 第24話 日本の労働者は、どうして過労死するほど働いてしまうのか
 第25話 雇用における男女差別は、本当に法律で禁止すべきことなのであろうか
 第26話 派遣で働くことは悪いことなのか
 第27話 社員の利益を守るとは、どういうことか
 第28話 ニートは、何が問題なのか
    ―人はどうして働かなければならないのか

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